親が高齢になってくると、出てくる問題が「お金の管理」。
「最近お母さん物忘れが激しくなってきたし、そろそろお金のこと考えた方がいいよね」
「今までお金の管理をしていたお母さんが亡くなり、お父さん1人になったけどどうする!?」
「認知症になった母、たびたびお金のトラブルがあり限界。どうする?」
などなどお金にまつわるさまざまな悩みごと……各家族で出てきていることでしょう。
目次
老化や認知症によりお金の管理がむずかしくなってくる
高齢者ではない筆者でさえ、「あれ⁉この支払いすんでいたっけ⁉」「わ!今日子どもの学費の引き落とし日だった~!口座にお金入れていない!」なんてことがこれまでの人生多々ありました。(汗)
そう、認知症でなくても決して簡単ではないお金の管理。
そこに「認知症」などの問題が出てくると……かなりシビアな問題となってきます。
・家計の管理ができなくなる
・支払い忘れ
・詐欺
などなど頭を抱える問題が沢山あります。
実際にわたしの祖母も認知症(アルツハイマー型認知症)の診断が出てからも、介護サービスや私の母の支援を受けながらなんとか1人で住み慣れた自宅で暮らしているという状況。
さまざまな不安な出来事がありながらも、この「お金の管理」問題も、例外に漏れず。
祖母の認知症の症状が目立ち始めたころ、母が祖母の通帳を見てみると、祖母は毎日10万円ずつ口座から引き出していて、どんどん貯金残高が減っていたではありませんか。
買い物をしたことを忘れてしまうので、たびたびスーパーで買い物をしては、食材が溜まっていく……という状況でした。
このままでは、いけない!と今は母が祖母に代わりお金の管理をしています。
子どもがお金の管理をしようとすると……
筆者の祖母と母の場合は、わりとスムーズに母がお金の管理をすることが決まったようですが、実際は親御さん自身が「自分がお金の管理をできていない」と自覚していないパターンが多く、「お金の管理」の話を子ども側からもちかけたときに、「なぜお金を預けなければならないの?」と親子の揉め事に発展してしまうことがあるようです。
それから認知症の症状としてわりと有名な「モノとられ妄想」があります。
認知症の初期の段階で出てきやすい症状なのですが、物忘れによるなくしものが増え、それを「あの人がとった……」と誰かにとられたと思い込んでしまうというご本人にとっても周りの人にとってもなかなか辛い症状です。
そんな状況でお子さんが管理をしていると、「あの子が私のお金をすべてとった!」「管理をするとか言いながら、使い込んでいる」なんてセリフが出てきたりします。
子の立場からでも「親のお金の管理」は口を出しづらくなかなかむずかしい問題ですよね……。
高齢の親のお金の管理がむずかしい場合はどうする?
さて、高齢者のお金の管理……なかなかシビアな問題だとお話ししましたが、では高齢の親のお金の管理がむずかしいと感じたとき、だれがお金を管理していくのがベストなのでしょうか。
さきほど私の祖母は母が管理しているとお伝えしましたが、子どもが親の管理をすると揉め事に発展することもあります。
ですので、お金の管理をしていく方法はいくつかありますので、その家庭にあった選択をするとベストかなと思います。
1.親に代わり子である自分が管理する
私の祖母のように子が管理するパターン。
この場合は、のちのちトラブルに発展しないためにも、親子、兄弟間で、だれがどのようにして、管理していくのか家族でしっかりと話し合いをしましょう。
家族間だとどうしても、口頭の話し合いですませてしまいがちですが、のちのち「言った言わない」の言い合いになってはいけません。
可能であれば、決定したことを書面に残しておくことをおすすめします。
2.成年後見制度の利用
「成年後見制度」とは、ご存知の方も多いかと思いますが、認知症、知的障がい、精神障がいなどで金銭や財産の管理がむずかしい場合に、家庭裁判所やあらかじめ本人により選任された人がご本人に代わり、財産、金銭の管理を行う制度です。
成年後見制度は、厳密には「法定後見制度」と「任意後見制度」の2通りの制度にわかれます。
法廷後見制度 | 任意後見制度 |
本人の判断能力が不十分になった後に、家庭裁判所によって選任された成年後見人等が本人を法律的に支援する制度 | 本人が十分な判断能力がある時に、あらかじめ任意後見人となる方や将来その方に委任する事務(本人の生活や療養看護および財産管理に関する事務)の内容を決めておき、本人の判断能力が不十分になった後に、任意後見人がこれらの事務を本人に代わって行う制度 |
成年後見制度は、子などの親族がなる場合もありますが、法律・福祉の専門家その他の第三者や、福祉関係の公益法人その他の法人などが選任される場合もあります。
「家庭内」での金銭トラブルを避けたいと思っている方は、「成年後見制度」といった制度を活用するのも1つの手ですね。
※「成年後見制度」についてくわしくは法務省の「成年後見制度」のページをご覧ください。
3.日常生活自立支援事業の「日常的金銭管理サービス」を利用
「成年後見制度」の他にも社会福祉法人 全国社会福祉協議会による「日常生活自立支援事業」というものがあります。
認知症高齢者、知的障害者、精神障害者などで判断能力が不十分な方が対象となり、預金の出し入れ、生活に必要な利用料などの支払い手続きや、年金や預金通帳など大切な書類の管理のほか、福祉サービスの利用、日常的に必要なまざまな事務手続きなどのお手伝いをしてもらえます。
くわしくい内容は、以下の「日常生活自立支援事業」のパンフレットをご覧ください。
まとめ
「金銭の管理」ってどこの家庭でも出てくる悩みごとですよね。
高齢者の振り込め詐欺なども起きてくる物騒な世の中……。
コラム【親の詐欺被害に注意】振り込め詐欺にひっかかる高齢者の心理とは?その対策は?https://www.kissmylife.jp/media/articles/2008/
大切な親御さんが金銭のトラブルに巻き込まれないためにも、家族のお金問題は早急に解決しておきましょう。
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